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2004/05/04

ジャズと演劇 名演が生まれる瞬間

久しぶりに『Waltz for Debby』を聴きたくなった。このビル・エヴァンスのアルバム、スピーカーから聞こえてくるのはいつでも名演なわけだが、どうにも気になることがある。

客が少ない。

何かグラスがカチャカチャしてるのも雰囲気があるようでいて邪魔な気もする。相当に小さなジャズ・クラブでの録音だったらしいが、「あのビル・エヴァンスなのに?」と思わざるをえない。しかし、場末の店で少人数の客であっても、演奏がだれることはなく、曲ごとの拍手もあたたかい。そして、しっかり、しっくり、しっとりと聴かせてくれるのだ。オイラもみんなと一緒のテーブルに居たかった。どんな場所で、どんな場面でも自分の持つ空気に染めてしまうのがプロというものなのかもしれない。

オイラは演劇に携わる中で、まぁ、正直なところお客さんを呼ぶのがたいへんヘタクソだったわけです。芝居そのもののクオリティを少しでも上げることばっかり考えていて。観客ありきで成立するという見方もできる演劇という表現形態においてはあるまじき行為というか、何考えてるんだというか。具体的に客席には1人だけという舞台も経験している。だけど、胸を張って云えるのは、どんな観客数の舞台でも絶対に腐らなかったし手を抜かなかったってこと。その瞬間に立ち会ったすべての人にとって『Waltz for Debby』であれ、と。そうなっていたかどうかはわからないけどね。でも、だから、たくさん集客している劇団は心から素晴らしいと思う反面、内容が伴っていなかったらえらく落胆する。どう見ても面白さで客を呼び込んでるとは思えない劇団ってのはあるよ、残念ながら。多いのはいいことだ、悪いことじゃない。でもガッカリする。そして、心の中で『Waltz for Debby』を流して自分を慰めるのだ。

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