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2004/09/17

TFF 『ELAHE』全曲レビュー その2「Closest Thing To Heaven」

Tears For Fearsの新作『Everybody Loves A Happy Ending』ついに発売! で、記念全曲レビューの第2回でやんす。
ちなみにCDに歌詞カードが付いていないとお嘆きの方がいらっしゃるようだが、TFF公式の「DISCOGRAPHY」に入って、アルバムのトラックリストの曲名をクリックすれば見られるぞ。

2曲目「Closest Thing To Heaven」
新作アルバム『Everybody Loves A Happy Ending』発売が遅れに遅れた理由は、当初TFFが所属していたアリスタ・レコードの内紛とそれに伴うレーベル移籍にあったことは周知の通り。そのアリスタからアルバム先行シングルとしてスタンバっていたのがこの曲だ。そんなわけで単独のサンプラーも存在するし、もっとも早い時期からネット上で露出された曲でもある。良かれ悪しかれアルバム全体を占う作品となったのが実は「Closest Thing To Heaven」だったというのは振り返れば面白い話だ。
というのも、この曲、全体の印象が3rd『The Seeds of Love』収録の「Sowing the Seeds of Love」に似ているのだ。ドラムのグルーヴ、曲のテンポ、曲の構成や展開の仕方、ゴージャスな音の装飾(そのまんま流用したと思しき音まである)。そしてローランドの力強い歌声にサビで絡みつくカートのコーラス。そこで賛否両論となったわけだ。昔のTFFに戻ったという感覚を、一部は喜び、一部は眉をひそめた。さて、そんな前口上を前提にじっくり聴いてみようか。
曲のイントロはフリッパートロニクスのような静かなギターのうねり。オイラは昔からKing Crimsonの音楽性をTFFが意識的に取り入れている感じを受けているのだけど、それを証明してくれるんじゃないかと思うほどの音だ。くぐもった退廃的な空気が立ち込める。と、ローランドのボーカルとピアノが静寂を破る。実はこのタイプの曲って過去には無かったんじゃないか? 初っ端からやたら情感いっぱいで歌い方も力強いのだが、歌い進むにつれて更にそれが増していく。どうやらしょんぼりしちゃうような日々に起こる奇蹟のようなことを「天国に一番近い出来事」かどうか問いかけて歌っているようだ。この内容をこの音に乗せてくるのがTFFなんだよな。ローランドとカートが揃っていた頃の、ま、昔のTFFを想起させながらも、決して懐古的ではない。ファンへのサービスという意味合いはあったかもしれんが、作品としても完全に確立されたものになっているじゃないか。以前の引き出しから簡単に作られたものではなく、入魂の1曲と解釈した。TFF is back! あれ? 前回も云った覚えが……。

おまけのTFF情報
Launch.comにてインタビューと「Call Me Mellow」のビデオが観られるようになった。メンバーはローランド&カートに、サポート・ギターのチャールトン・ペタス(Charlton Pettus)とご存知のドラマー、ニック・ディヴァージリオ(Nick d'Virgilio)という今までのアコースティック編成と変わらぬ4人。csz.comのTFFページに記載されている「ツアー・メンバー」には名前があるMayfieldのキーボーディスト、ダグ・ペティ(Doug Petty)は未だ合流していない。「the upcoming TFF tour」のメンバーってなってるもんね。本当にやってくれるんだな、北米ツアー。
公認ファンサイト(あ、「Closest Thing To Heaven」サンプラーのジャケはココで見られるんだったね)の方では、発売日に出演した「"The Tonight Show" with Jay Leno」のクイックタイム映像などなどが観られるよ。ここの情報では北米ツアーはHoustin、New Orleans、Boston、Washington, DC、Atlanta、Atlantic City、Cleveland、Chicago、Milwaukee、Minnespolis、St. Louis、Kansas City、Boulder、San Diego、Reno、San Jose、Phoenix、Las Vegas、Tucsonとなっているぞ。だ、大規模じゃねえか。

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コメント

毎日の登場で失礼いたします。あの後、歌詞も見ました。いいですねぇ。ローランドらしく、ちゃんと韻をふんでる歌詞も多いですね^^。

既にアルバム全体を10回くらい聞きましたが、曲が実に粒ぞろいですね。サウンド面で驚きが少ないと思う人もいるかもしれませんが、完成度は非常に高いですね。ローランドのリードヴォ-カルの曲が方が多いわけですが、アルバム全体の開放感というか、いい意味でのポップな感じは、やはりカートがもたらしたものが大きいんだろうなーと思います。ローランドだけだと、もっと内向的な感じになりますよね。

しかし、うーん、あー、すばらしいです。定石通りの曲ではありますが、secret world には「この曲を作ってくれてありがとう」とお礼をいいたい気分です(ちょっと大袈裟でしょうか)。

2曲目についてのコメントになってなくてすみません・・。

投稿: さしみ | 2004/09/18 01:29

さしみさま

いや全然良いですから毎日来てください(笑)。

流石に耳が良くていらっしゃるというかほとんど同意見。音で驚かそうとかまったく考えてないんじゃないかしら。ま、カートは元々そういう人でしょうし、ローランドもソロを出してTFFとの差別化が図れる身体になったんじゃないかと。
カートの良さが出ているってことはローランドが大幅に歩み寄ったことも意味しているわけで、こいつらやっと大人になりやがったのかもしれませんな。そのクセ出てくる音はどこかしらヤンチャだったりして憎めないというか何というか。

何か女性ファンの意見みたいになってるな。あれ?

「Secret World」はオイラにとっても今作のベスト・トラック。詳しくは第9回をお楽しみに(笑)。いやーみんなが知ってる3曲が終わって、これからが面白いんだよ、この企画は。いや本当に。

投稿: SHIRO | 2004/09/18 02:22

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