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2004/10/15

TFF 『ELAHE』全曲レビュー その10「Killing With Kindness」

Tears For Fearsの新作『Everybody Loves A Happy Ending』、ドッカーンと発売! で、記念全曲レビューの第10回でやんす。

池袋のHMV店頭には『ELAHE』並んでたよ。2枚だが。新宿ミロードとか銀座のHMVには無かったのにな。店舗によって置いたり置かなかったりしてるんだろうか。いずれにしても店頭買いにこだわらければ一番安いAmazonで買うのが賢明ではあるな。

英国がベースである音楽系通販サイトのeil.comから今週頭に発表された最新売上チャートではimport chartで堂々の1位。やはり本国発売が待ち切れないファンがかなりいるようで。まぁ、英国全体のチャートではないわけだがな。 ちなみに普通のアルバムチャートの1位~5位はDuran Duran 『Astronaut』、Bryan Adams 『Room Service』、Celine Dion 『Miracle』、The Wonder Stuff 『Escape From Rubbish Island』、Jean Michel Jarre 『Aero』。何だこの面子。いったいいつの時代のチャートなのかと。

10曲目「Killing With Kindness」
ゆったりとホヨホヨしたキーボードがシンプルなドラムの上で妖しげにうごめく。サイケデリック。『ELAHE』は全体的にスピードを感じさせない楽曲が並ぶアルバムだが、この曲のダルさは白眉だ。ボーカルもサビに至るまでたいへんダラーっと歌われる。で、サビはドラマチックに力強い。コーラスも実にハマッていてTFFらしい。ギターの切れもカッチョイイ。歌詞の内容からするとまるで殺し屋映画の主題歌みたいだ。ま、とはいえ訳すと中身はゴルゴ13みたいなもんなんだがな。
この曲の要はドラムだ。曲を通じてしっかり叩きながら静と動が見事に演出されている。以前のレビューでもチラッと触れているが、本作のドラムはすべてFred Eltringham(読みはフレッド・エルトリンガムでよいのかな)による。強い個性は無いものの、これがまぁ堅実にバックを支えるドラミングとなっており、楽器の主張を抑えて楽曲の主張を打ち出した『ELAHE』においては適材適所だったんじゃないかと。パワーポップ・バンド、Gigolo Aunts(未聴。最新作は『Pacific Ocean Blues』らしい)の元メンバーで、JudeJuliana HatfieldBen Kwellerとの活動と平行してカートの新作『Halfway Pleased』に参加していた。その流れから『ELAHE』にも参加。現在はJakob Dylan(今更だが父はBob)率いるThe Wallflowersに正式加入している。そんなわけでTFFのツアーでも彼のドラミングを見てみたかったものだが、それは叶わぬ夢となってしまった。
だけどね、そこでローランドから招聘されたNick D'VirgilioがTFFツアーで叩くことになったというのは、不幸中の幸いというか怪我の功名というか、結果的に更なる進化への大きな布石となったのではないかと思えるほどに絶妙な話なのさ。ニック・ディヴァージリオ。『ELAHE』の発売の遅れなどを自身のホームページで赤裸々に語ってくれたこの人物、プログレ・ファンにはSpock's Beardのドラマーにして現メイン・ボーカリストとして認識されていることだろう(最新作は『Feel Euphoria』)。メイン・ボーカルが脱退してドラマーがコンバートされるってのはまるでGenesisなんだがな。シンフォニックな音楽性を持つバンドにおいて、ニックのドラムは手数も多けりゃ主張も強い。しかしだな、実に器用な側面も持っていて彼の抑制されたドラミングってのがこれまた素晴らしいのだよ。すでにcsz.com公式ファン・サイトのライブ音源や映像から、そこら辺は感じ取っている方も多いに違いない。それにニックは歌もバッチリ歌えるわけで、ライブではコーラスもアルバム以上に厚くなっている。次回詳しく紹介する予定のCharlton Pettus(この人も歌える!)、キーボードのDoug Pettyも含めて、『ELAHE』ツアーの5人衆はなかなか凄い顔ぶれだと思うのね。特にニックにはぶっちゃけ次のアルバムからぜひガップリ参加していただきたいものだ。そんな先の話してどうする……。

おまけのTFF情報

10・4に行われたBuffalo Center for the Artsでのライブは、トーク・ショーを交えたミニ・ライブだったみたいね。レビューを読むと、微妙な会場の雰囲気が感じ取れるね。ここでもポール・マッカートニーが引き合いに出されているなぁ。Beatles絡みの話はレビュー最終回にやる予定。

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