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2004/11/24

ベン・パターソンは歴史の重みを感じさせない素敵なオジサンでした

行ってきたよ、うらわ美術館の「ベン・パターソンによるフルクサス・コンサート」。
観客は70~80人てとこだろか。順路の最後の方のスペースで、上手にグランド・ピアノ(普段は石ころを突っ込んで弾いたりすることができる体験用になっている)、下手前にプロジェクタと曲名を示す台、下手壁際に楽器群が置かれていた。

約5分押しでコンサートがスタート。最初っから飛ばすぜ、ベン本人によるジョン・ケージ作「4分33秒」の演奏だ。初めて生で観たよこの作品の演奏。三楽章は一番オーソドックスな蓋の開閉で分けられていた。そして全20曲ものパフォーマンスが続くことになるわけだが、もう曲名とかすっかり忘れた。コピーでいいからプログラムが欲しかったぜ。覚えている限りで書いて行くと以下のような演奏であった。

・ピアノに生け花を置くだけ
・紙テープを2人で客席上に引っ張って落とすだけ
・バイオリンの何か1音を微かに5分くらい弾き続けるだけ
・「ラ・モンテ・ヤングは観客の中にいるのか?」みたいなことを云うだけ
・チューバを下げてビー球を転がすだけ
・白い紙を客席に配るだけ
・指揮者が靴を気にするだけ
・アンサンブルが楽器または楽器以外の何かを使って適当に小さな音を出し続けるだけ
・指揮者が「10分して戻ります」と示して去り、アンサンブル・メンバーが徐々に寝ていくだけ
・自動ピンポン球発射機から出た球をシンバルで挟むだけ
・指揮棒に合わせて演奏参加者が何か1音発するだけ(観客参加あり)
・男1人がギャーギャーギャーと騒ぐだけ
・2人の奏者がトランペットの先にゴム手袋を付けて息を吹いて膨らますだけ
・2人のピアニストが敵意剥き出しに適当に連弾するだけ
・床に升目を書き玩具の蛙が止まったところから、その縦横端に書いてある指示語みたいなものをアンサンブルが云い続けるだけ
・ライトに照らされた窓を開け閉めするだけ
・上から釣った作り物の手の指先がピアノに落とされるだけ
・動物の仮面をかぶったアンサンブルを司祭(?)に扮したベンが引き連れ、薪が燃える映像の前に座り込む。パチパチと火がはぜるような音を出し始めたなぁと思ったら、ベンが音の正体である蛙型の小楽器を客席に配る。そんでもって、みんなでパチパチやる

順不同。あれ、1曲思い出せない……。フルクサス展そのものと同様、演奏も過去を示すものでしかないという見方もあるのだろうけれど、オイラは単純に面白かった。参加して良かった。もうとにかく良い意味でバカ。やってることはくっだらないんだけど、そこに音楽や行為の意味を見出すのは楽しい作業だと思ったよ。で、ただ観るだけの展覧会ではなく、参加型のイベントをどんどん挿入すべきだなぁと。次回は12・12の「塩見允枝子=パフォーマンス・ワークショップ」だそうだ。簡易楽器を持って行くといいというこっちの文章を読んで角笛を背負っていき、まったく出番がなかったという事実は内緒だぜ!

ベン・パターソンさんは実に普通のオッサンでね。ドイツ人ぽさもあまりなく、本当にまぁハナ肇かケーシー高峰かって風貌でダラダラと演奏を展開して行きましてん。これが独特の間でさ。なかなか味があった。終演後にちゃっかりサインもらっちったぜ。「エキサイティングだったっす。感動したっす」と英語で云ったらニヤリとしてくれて嬉しかった。
ちなみに熱演だったSaitama Once-Only Fluxus Ensemble(さいたま一回限りフルクサス・アンサンブル)は、終演後にお話うかがったら演奏できない人なんかも含む20~40代のメンバーで、何と本当にこの日のために集められたバラバラな集団だったらしい。あまりにも良い顔の人たちだったので、どっかの劇団か何かかと思ったヨ。ぶっちゃけ演出面というか段取りがかなり悪くてズッコケた場面も多々あった。それは美術館スタッフの甘さでしかないね。悪いけど。良い企画展だからこその苦言な。あのー、ボランティアで舞台監督やりましょうか? あと苦言といえばど真ん中でデジカメ撮ってたオッサンね。やっぱり繊細な音楽にシャッター音てのは無粋だよ。オイラも取材する側に回ることが多いもんで、気持ちはわからんでもないんだがな。場所とかタイミングとか考えてくれやとは思うわいな。

そんなわけで、イベントは毎回というわけではないのだが、展覧会自体もかなり興味深い内容なので、みなさんどんどん観に行きましょう。

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コメント

いや、やっぱりバカでしょう(笑)
しかし勉さん、大ノリだったんですね・・・。
こういうの自分でたくさん考えてみると楽しいですよね。
僕らがこれやって金取ると大ブーイングなんでしょうけどー。

投稿: JNN | 2004/11/29 01:53

JNNさま

いや~本当にもうバカでしたねー(笑)。
大ノリってか、フルクサスの歴史がそこそこ伝わるような演奏を、と美術館側からオファーされて、短いのをポコポコ並べたプログラムになったんじゃないかと推察します。自作曲は「升目蛙」とラストの「蛙パチパチ」の2曲だけだったし。

金はなかなか取れないでしょうね。ボランティア募って参加費無料でイベントやって、関連グッズとかでアガリを何とかするってのも難しいかな。ベン・パターソンで無料でも観客70~80人ですから。関係者がけっこう多そうだったしね。

投稿: SHIRO | 2004/12/02 12:43

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