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2005/06/30

Rascal Reportersにニンマリする夜

Rascal Reportersについて書く。カンタベリー・ファンの間でも聴いたことないケースが多いと思うので、まずはディスコグラフィーを整理しておく。

▼Rascal Reporters Discography
●Tape & Vinyl Releases
「My Name / Ricky And His Dad」 (1978, EP single but not released)
『Freaks Obscure』 (1980, Tape)
『We're God』 (1980, Tape)
『Guns for Jerry's Kids / Beatrice』 (1981, Vinyl 45)
「Oil of Lavender」 (198?, Vinyl EP?)
『Ridin' on a Bummer』 (1984, Vinyl Album)
『Happy Accidents』 (1988, Vinyl Album)

●CD Releases
『Purple Entrapment』 (1995)
『Happy Accidents』 (1996, with Stabbing At Air)
『We're God』 (1997, with Guns for Jerry's Kids / Beatrice)
『The Coast Is Clear』 (2000, Soundtrack Music by Steve Gore in 3CD)
『The Foul-Tempered Clavier』 (2001, with My Name / Ricky And His Dad)
『Ridin' on a Bummer-20th Anniversary Special Edition CD』 (late 2004 but not released)
『The Mind Boggles』 (early 2005 but not released)

●Official Bootleg CD Releases
『Riding on a Lavender Freak』 (1998, 『Freaks Obscure』, 「Oil of Lavender」 & 『Ridin' on a Bummer』 in 2CD package)
『Holly's Biaural Curiosity』 (1998)

Rascal Reporters公式HPに準拠しているがさらに情報を整理してみた。どいつもこいつもマイナー・レーベル(しかもけっこうバラバラ)から出ていやがって入手は困難。『Happy Accidents』のみゲストの豪華さから国内盤が出たが、とっくに廃盤だ。結局のところ、Rascal Reportersを聴いてみようと思う人間のほとんどが、このアルバムの出来の良さをレビューで読んで聴いてみたくなったというパターンだろう。で、何故か『We're God』CDから手に入れることになってしまったオイラもこれがとてつもなく聴きたかった。そんな最中、Big Balloon Music StoreというネットCDショップで『Happy Accidents』と『The Foul-Tempered Clavier』が安く売り出されているのを発見したので、やっとこさ手に入れた次第。ちなみにBig Balloon Musicは、彩音での紹介記事を公式HPに掲載してくださっているThe Red Masqueが所属するレーベルも経営していたりする。さらにちなみにBig Balloon Musicのロゴ・イラストを描いているのもThe Red Masqueの女性ボーカリストであるLynnette Shelleyだったりする。閑話休題。では、オイラが聴いた3枚のCDについて紹介しておく。全曲紹介とかすると気が遠くなりそうなのでザッとな。

『Happy Accidents』 (ZNR Records / ZNR CD1010)
Dr.NerveのNick Didkovsky、キュニフォーム・レコード創始者のSteve Feigenbaum、U TotemのJames Grisby & Dave Kerman、The MuffinsのDave Newhouse、Univers ZeroのGuy Segersがゲスト参加。アメリカのカンタベリーミュージック継承者の総協力体制で作られた奇蹟の1枚。噂通りの内容だった。しかし、本作の魅力はあくまでSteve GoreとSteve Kretzmerによる緻密に練られた作曲の妙であり、作品としての立ち上がり方にある。LPでのA面3曲がGore、B面2曲がKretzmerのペンにより、どちらも組曲的な構成。「Weigh In On The Way-Out」は、どこか懐かしさを感じさせる旋律のテーマとなるフレーズの合間に、Henry Cowの1枚目やHatfield and the NorthやPicchio dal Pozzoを思わせる短い楽曲がガンガンぶち込まれている。目まぐるしく変わる音の風景は、まるでファンタジー小説のBGMのように広がりがありつつ、不思議と現実感を伴なわない。3曲目のエンディングが白眉。「Trucks」はシリアスな雰囲気が若干上がり、畳み掛けるような勢いを持ちつつキラキラとした音色でデコレートされたHenry Cowの亜流といえばニュアンスが伝わるかな。しかし亜流に終わらずオリジナリティもビシバシ感じられる。とにかく全体に絶妙なキーボードの音色選びで比類ない世界を形成している。ボーナスでKretzmer作の小曲3曲(『Freaks Obscure』など別のアルバムからの選り抜き)と、Gore作で25分30秒に及ぶ大作「Stabbing At Air」も収録。これがまた瑞々しくフォーキーなボーカルなんかもフィーチャーした素敵なナンバーなの。

『We're God』 (Wafer Face Records / wafer 7)
カセットテープで『Happy Accidents』より前に発売されていた作品。ゲストも少なく、Rascal Reportersというユニットの本質が前面に出た小曲集といった内容だ。ギミックを使ったりお遊び傾向の強いGore作品と、ピアノにボーカルに内証的でシリアスめなムードを描き出すKretzmer作品がバランスよく収録されていて、おもちゃ箱をひっくり返したようなバラエティ感がある。「Smidgens」の名でくくられている9~14曲目あたりは、『Happy Accidents』収録の長い楽曲が形成される過程をちょっと思わせる。同時期に出たシングル「Guns for Jerry's Kids」「Beatrice」などボーナス・トラック6曲も収録。ラストの「Woman To Woman」にはDave Newhouseが参加している。

『The Foul-Tempered Clavier』 (Pleasant Green Records / PLGR004)
現時点での最新アルバム。Dave Newhouseがスペシャル・ゲストとして全面参加して、ほとんど3人のユニットで音作りがなされている。そのためかジャズ・ロック色が強まり、雰囲気がだいぶ変わった。音質がクリアーなのも印象の違いに影響している気がする。より開放的な空気が各楽曲から感じられるのだ。密室ぽさが消えたというか。おもちゃ箱のニンマリできる世界は後退したが、洒落た大人の遊び場っぽさがある。これはこれでイイ。酒をあおりながら聴くなら3枚の中ではこれだろう。最初期の未発表シングル「My Name」「Ricky And His Dad」など4曲をボーナスで追加収録。

ぜんぜんザッとじゃなくなっちまった……。
全作に共通しているのは、途中で聴くのをやめられなくなるってとこかな。じっくり聴いているとじわーっと幸せな気分になってくるんだよね。さて、出す云うて出てない『Ridin' on a Bummer-20th Anniversary Special Edition CD』と『The Mind Boggles』はどうなっているのであろうか。聴きたい聴きたい。

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