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2007/04/27

陰鬱に盛り上がる(!?)Porcupine Treeの新譜

Fear of a Blank Planet

Porcupine Treeの『Fear of a Blank Planet』という新譜も新譜のド新譜を採り上げるのは珍しいことなのだが、あんまりこのバンドについて書かないでいるとSWJPBOさんに申し訳が立たぬ。ということで。
まず1枚聴き通して思うのは何だってこんなに陰鬱な音なのかというところ。デンデロデンデロと黴臭い空気に包まれているかのようでな。しかしながらですよ、それでいてこの躍動感はいったい何なんだ? 暗い=盛り下がるという図式がまったく当てはまらない音なんだ。それで云えばデスメタルだって下向いて暗い歌詞がなりつけて盛り上がるじゃんかというのもまぁその通りなのだけど、そのメタルっぽい音になったと云われつつもPorcupine Treeが描き出すのは別の世界だ。例えると、第一志望校の受験日なのに寝坊してぜんぜん間に合うわけないのに走りまくっているってなシチュエーションで、「もうムリだムリだムリなんだーッ!」と叫びながらアタフタするのがメタルであり、「俺は無理に違いないが果たしてどこから間違えてこんなことになってしまったんだろう……」とつぶやきながら目を爛々と輝かせて延々と過去の自分を振り返りガタガタ震えつつも実はそんな自分が意外と好きいやむしろ大好きみたいなのがSteven Wilsonの音楽なんだ。
すまん適当に書いた。
で、その「お前考えすぎと違う?」感が最良の形で具現化したのが本作じゃないかと思うのだよ。とにかくどの曲にも影が差していて、切なくも美しい。どっぷり入り込めればそれがよくわかろうて。た・だ・し、一歩引いたところから聴くとツッコミを入れたくなるかもしれん。でもな、簡単な話、オイラは表題曲の独特な浮遊感とか、「Anesthetize」中盤の妙な盛り上がり方とか、「Way out of Here」のミニマルな感じがドカンと弾けるところとか、もにょもにょと尻すぼんでいく「Sleep Together」とか、何かもうね、ついリピートして聴いちゃっているよ。『Deadwing』の粒ぞろいな楽曲群も良かったが、また違った「効き具合」がいいんだよなぁ。
それにつけてもSteven Wilsonって人は、「器用貧乏つまりは不器用」みたいな感じがしていて憎めないんだよね。そこんとこどうっすか?

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コメント

師匠、私は "Blackfield II" のレビューもお待ちしておりますですよ。それからエントリ中の SW 像(音楽像)の描写、面白いっす。自分の過去におけるかなりのモテなさ加減とか振り返って美しく厳かにまとめ上げたりとか、面白歪な側面がビシバシと感じられますよね。

投稿: swjpbo | 2007/05/01 11:16

書きましたよ。書きましたとも。

「面白歪」っていい表現だなぁ。ググっても誰も使ってなかったよ(笑)。流石。

投稿: SHIRO | 2007/05/01 22:40

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"Fear of a Blank Planet" 日本盤発売後初めての週末を通過しまして、チラリホラリとレビューを拝読できますようです。ご紹介をお許し頂ければと。 師匠と杜塚さんのレビューを含む 『ArcRyte Online』 さん。 Orphaned Land でお馴染みの 『North Winds』 さん。 『ROCK AN..... [続きを読む]

受信: 2007/05/01 10:39

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