« 帰って来いよ栞ちゃ~んな久しぶりにアイドルもの三つ | トップページ | Tears For Fears 2009 Tour Set List ! »

2009/07/13

Around TFF 2 『Avon Calling: The Bristol Compilation』 V.A.

前回のEmiliana Torriniのアルバム『Love In The Time Of Science』でもRolandの片腕として活躍していたAlan Griffiths。CurtがいなくなってからのTears For Fearsを支えた人物ということで、どういう経歴の人なのか意外と知らないファンが多いんじゃないだろうか。ま、実際、ネットで調べても情報は少ないので、これは世界的に同じような状況なのかもしれないのだけどね。

Alan GriffithsとTFFの関わりの最初は、彼が率いていたバンド、The Escape時代にさかのぼる。The Escapeはブリストル・パンクというムーブメントの中で登場したトリオ編成のバンドであるApartmentからベーシストのみをチェンジした後継と呼べる、要するにUKパンクの流れを汲むバンドだった。『Is Nothing Sacred』というアルバムを発表しているのだけど、その当時の情報はBristol Archive Recordsというブリストル・パンクに特化した配信系レコード会社のサイトに詳しい。で、The Escapeのページにあるツアー日程を見ればおわかりだろう。TFFの1983年ツアーに彼らはサポート・アクトとして同行していたのだ。ちなみにその翌年、ドラマーの突然の引退やシンセ・ミュージックの台頭なんかが引き金となって彼らは解散するわけなのだけど、その直前くらいにNicky Holland(これまたTFFのツアー・メンバー)も加入していたという話がmemoriesfade.comとかにあってね。Bristol Archive Recordsの解説ページではその辺に触れていないのだけど、この表記を見る限りは本当のことらしい。ドラマーの代わりにキーボーディスト入れるって珍しいケースだと思うけど。ま、彼女についてはまた日を改めてね。さて、そんなわけで解散後のGriffithsは、1985年の『Songs From The Big Chair』ツアーにてサポート・ギタリストとして抜擢されることとなり、何と東京公演から合流。ツアー最終日まで8ヶ月にわたり同行し、やがてセッションマンとなっていった。それから『Elemental』以降(正確には「Laid So Low」シングル以降)、Rolandのパートナーとして再び召集され、TFFの2作及び『Tomcats Screaming Outside』まで貢献していくことになったというわけなんだな。

Avon Calling

Avon Calling: The Bristol Compilation』 Various Artists
ブリストル・パンク全盛期を俯瞰するような内容で当時出されたコンピレーション盤に、同じシーンのマイナー・バンドをサポートした弱小レーベル、Heartbeat Recordsから発売されていたシングルなどの音源を付け加えた2枚組CDである。時期としてはほとんどが1970年代後半に発表された音で構成されている。Disc Shop Zeroの特集なんかにも出てるのだけど、ブリストル・パンクの二大有名バンドってのがThe Pop GroupGlaxo Babies(本作にも数曲収録)なんだそうで、それってUKパンクってかNew WaveとかNo Waveみたいなどちらかと云うとポスト・パンクなバンドじゃないの?というね。このCDもそんな流れ行く時代の空気を感じさせる内容になっていて面白い。パンクと聞いて想像する「早い(演奏時間)、うまい(わけがない)、安い(機材)」みたいな乱暴さだけじゃない世界観を持った音楽がお腹いっぱいになるまで聴ける。そして、この中のApartmentという3ピース・バンドで、ライター兼ギター&ボーカルを担当していたのがAlan Griffiths。写真からわかるのは長身で左利きのギタリストということくらいなんだが、ここでは元の『Avon Calling』に収められた躍動感たっぷりの「The Alternative」、Heartbeatからのシングルで、うねるように刻まれるギターリフが心地よい「The Car」と吹きすさぶ冬をドラマチックに歌い上げた「Winter」、そして渋くて格好いいギターが煌く未発表曲「Poison」の4曲が当時の音として聴ける。ボーカルはぶっきら棒でいわゆるパンク節というかヘタウマの世界だけど、バックトラックはメロディアスでじっくり練り上げられたものになっている。パンクってかノリの良い、そのくせ堅実な演奏で迫るギター・ロックだ。TFFの世界に通じるものがあるかと云われるとぶっちゃけ微妙なんだけど、TFFが生まれた当時の音楽背景の一端を垣間見るという思いで聴くとなかなか感慨深い。そうそう、強いて云えばGraduateに近い音楽ではあるかも。ディープなファンはここら辺までなら追いかけても楽しめるんじゃないかというギリギリのラインかもしれないけどね。で、その後のThe Escapeのアルバムは未CD化なんだけど、配信では聴けるので、いずれまた感想文を書きたい。そう。まだ聴けていない……。
なお、ここでは余談となるが、この『Avon Calling』にはこれまたTFFと縁の深いサポート・ギタリスト、Neil Taylorがその活動最初期に率いていたSneak Previewの楽曲「Slugweird」と「Desire」も収録されている。キーボーディストのいる4人編成のなかなか面白いバンドなので、これもまた聴きどころだったりするよ。

さて、Roland's TFFの名盤にしてAlan Griffithsも大活躍している『Raoul And The Kings Of Spain』がボーナス・トラック付きで8/25(元は8/17となっていた)に再発されるという情報が出た。ソースはCDJournal。これ今のところ大手では日米のamazonにしか出ていなくて、どちらもレーベルが明らかにされていないため本当か怪しいなーと思いつつ調べて調べて調べまくったところ、Cherry Red傘下のCherry Pop(サイトにTFFはまだラインナップされていないが)というところから出るらしい。予約もしてみたが、同レーベルの既発商品から見てリマスターの可能性は薄そう。ま、元々の音も悪くはないし、ボーナスはシングルで発表されているものばかりなので、むしろライナーノーツが気になるから買う~みたいな状況だったり。シングル持っていない人にとっては必携かもね。

|

« 帰って来いよ栞ちゃ~んな久しぶりにアイドルもの三つ | トップページ | Tears For Fears 2009 Tour Set List ! »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/28861/45506951

この記事へのトラックバック一覧です: Around TFF 2 『Avon Calling: The Bristol Compilation』 V.A.:

« 帰って来いよ栞ちゃ~んな久しぶりにアイドルもの三つ | トップページ | Tears For Fears 2009 Tour Set List ! »