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2009/08/08

Around TFF 4 『I Used To Be...』 Gail Ann Dorsey

沖縄に行っていた友人は昨日の深夜の便で帰ってこられていたらしい。よかったよかった。いや、心からそう思ってるってば。

さて、Tears For Fearsのツアー・メンバーの中で「最も男前な女性」といえばGail Ann Dorseyである。Curt脱退後にベーシストとしてRoland's TFFをバックアップした人物だね。元々はDavid Bowieのツアー・メンバーとして活躍していた。『Elemental』収録シングルのPVにことごとく出演して、その長身でスタイリッシュな演奏する姿を晒しているので勘違いされがちなのだが、『Elemental』の録音には参加していない。それに伴うツアーからの参加になる。で、その後、『Raoul And The Kings of Spain』の録音に全面参加。当然、ツアーにも帯同するものかと思われたのだが、なぜか離脱しベーシストの座をDavid Suttonに譲っている。目立っていた割には意外と出番少なかったの。それでも足掛け3年ほどはTFFに付き合っている計算で、Rolandにも大きな音楽的影響を与えたことは間違いない。そう断定するに足る成果というか出来事がふたつある。ひとつはボーナストラック入りの『Everybody Loves A Happy Ending』に収録された2曲のうちのひとつ「Pullin' A Cloud」がRolandとGail(とツアー・ドラマーのBrian MacLeod)の共作曲であること、もうひとつはGail Ann Dorseyのソロ・アルバム『I Used To Be...』に2曲ほどRolandとGailの共作曲が収録されていることである。

I Used To Be

I Used To Be...』 Gail Ann Dorsey
彼女の3rdアルバムである本作は2003年に発表されている。ベーシストのアルバムって、ベース演奏で主張しようとするタイプとあくまで楽曲で勝負するタイプに大別できるんじゃないかと思うのだな。いや、両方ともできていれば云うことなしなのだけど。どちらかに偏っちゃうケースが多いんじゃないかと。Curt Smithっていう人なんか完全に後者だよね。云われないとベーシストの作品ってわからないような。しかしながら本作はベースの音もガッツリ主張してくるし、楽曲のクオリティもなかなかに高くて、実に溜飲の下がる内容。そして、TFF的見地からはここがポイントなのだが、Rolandが関わっていない楽曲もTFFテイストを多分に感じさせるものになっているのだよ。まず1曲目の「Nether Land」からしてRolandが歌っていても不思議ではない空気がある。他にもそんな雰囲気の曲がちょいちょいあるの。アルバムは全体にエモーショナルな歌声とソリッドな演奏が魅力を放つアーバン・ポップスといったつくり。明らかにGailはRolandの作曲だとかアレンジだとかプロデュースの方法を盗んでいるのだろう。もちろん良い意味で。Rolandとの共作曲「Be My Angel」と「Whether You Are the One」については、どちらもミドル・テンポの落ち着いた作風で、前者はOleta Adamsの作品のようなソウル・バラード、後者は『Elemental』チックな冷えた空気が一転して盛り上がったりするところがけっこうオイラ好みな仕上がりだ。聴いていないTFFファンはもったいないもったいない。

上記の話だとGailがRolandから影響受けたのねというのはわかるが、その反対はどうなのよ?ということになるよね。そこで「Pullin' A Cloud」だ。以前、『Everybody Loves A Happy Ending』の全曲感想文とかやったのだけど、ボーナス・トラックまで追いかけなかったおかげで「Pullin' A Cloud」の感想を書いていなかったんだよな。この曲がTFFファンの前に最初に登場したのはアルバムより前でな。TFFがアルバム・プロモーションでラジオ局をライブして廻っていた時、セットアップしているRolandが手慰みに一部抜粋して歌ってみせたんだよ。それがボーナス収録されて「なるほど!」という感じの流れで。そんで、調べてあるのだが、これは元々、GailがIndigo Girlsとのツアーの最中に作った作品らしいのだ。ちょっとソースの信用度は微妙なんだけど、Indigo Girlsのライブでのセット・リストの中にこの曲が何公演かで入っていてね。それをRolandなんかがさらに肉付けしたというのが収録されたヴァージョンの「Pullin' A Cloud」なんじゃなかろうかと。実際、アコースティックなアレンジも含めてなるほどIndigo Girlsっぽくて、ハッキリ云ってちっともTFFっぽくない。でも、そこがまた面白かったりするんだよねー。いやー、TFFの世界は深いなー本当に。どうしてRolandがこの曲を気に入ったのかも今ひとつわからんのだが、Gailの楽曲に対してシンパシーを感じていたことは間違いないんじゃないかなと。

最近のGail Ann Dorseyの動向はいまひとつつかめなかったんだけど、Raphaelというフランス人シンガーが昨年発表したアルバム『Je Sais Que La Terre Est Plate』に参加していたことはわかった。あと、何故かこの人の名前って「ゲイル・アン・ドロシー」で通ってるんだけど、綴りからしたら「ドーシー」としか読めんのだがなぁ。どうしてそういうことになってしまったのやら。

さて、そんなわけで次回のATFFは今度こそチャールトンなはずだが、また変えるかもしれない。チャールトンなら間が開くことになるだろう。

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