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2009/09/05

Around TFF 7 『Sometimes a Circle』 Louise Goffin

Tears For Fearsのサポート・メンバーにはけっこう女性が多かったりするのだが、その中でもアルバムに参加していないという理由で忘れられがちなLouise Goffin (ルイーズ・ゴフィン)を紹介しようかと。Carole KingとGerry Goffinの娘さん。超有名なブリル・ビルディング、つまり職業作家として知られる両親(ただしすでに離婚済み)の間に生まれたという運命は、そりゃ背負うものがデカ過ぎるよなぁと思わなくもない。音楽業界から専門の職業作家が必要とされなくなり始めた時代に、自ら歌いSSWとしての活動に活路を見出して『Tapestry』でブレイクした母親と同様に、Louiseもギターを弾きながら歌うのが基本スタイル。TFFツアー・バンドに参加する前にデビューしていて、『Kid Blue』『Louise Goffin』といった作品(CDだと2in1でお得)も出している。前者は1979年発表。TOTOのメンバーが参加していることで知る人ぞ知る作品で何故かロックな感じ。後者もいわゆるLAミュージシャンを起用して似たような路線ということで、時代の流れもあったのだろうけど、母親のイメージを重ねたかったファン層にそっぽ向かれたのか結果的にセールスは振るわなかったようだ。その後、1984年から1994年までイギリスで暮らしていたそうで、その間の1988年には『This Is the Place』という3rdアルバムも出しているんだが反響は薄かった模様。そんなこんなで話はTFFに移る。

アルバムを発表するとプロモーションつって全国を宣伝して歩くわけだ。世界的に活動しているアーティストはこれ大変。アメリカだけでも主要都市を廻ってラジオやテレビに出演したり、時にはインストア・ライブなんかもやったり。インターネットの時代になってありがたいのは、そういう動向が伝わってきやすくなったところだね。『ELAHE』のプロモーション・ライブなんかはけっこうラジオ局のサイトから観たり聴いたりできたもんね。イベント映像はYouTubeなんかの動画サイトにアップされるし。で、プロモーション時には少人数・アコースティック編成が機動力からすると望ましい。ということで『RATKOS』のプロモーションはRolandとベースのDavid Sutton、そしてギターのLouise Goffinという3人編成を基本として動いたんだそうな。ここでLouiseちゃん初登場なわけだ。1996年のこと。なるほどアメリカ帰国後の話なのねという。この時の動画はお馴染み公式ファンサイトであるtearsforfearsfans.comで観られるので、興味のある方はぜひ。カワイイ声でコーラスしているところなんかもあって、なかなかGood。

その後の「Live Kings Tour」ではメンバーが大幅に変わったんだよね。まずGail Ann Dorseyが抜けた。で、件のWire Train組のBrian MacleodとJeffrey Trottが抜けてね。それからバック・ボーカルを補強したということでラインナップは下記の通りになった。
Roland Orzabal(vo,gr)、Alan Griffiths(gr,keys)、David Sutton(b)、Nick D'Virgilio(dr)、Jebin Bruni(keys)、Louise Goffin(gr)、Linda Dalziel(vo)
Elemental』ツアーのメンバーでつくった『RATKOS』だったのに、何でここまで陣容が変わってしまったのかは定かでない。が、この新たな面子もなかなかカッコいいライブを展開してくれたんだよね。YouTubeなどでアンオフィシャルな映像がけっこう観られるので興味のある向きは検索するといいんじゃないかな。公式にDVD出してくれれば一番いいんだけど、いまさらRoland's TFFの素材とか蒸し返すはずもなかろうし、『Elemental』~『RATKOS』期についてはPV集すらまともに出ていないので、期待してもムリムリ。

Sometimes A Circle

Sometimes A Circle』 Louise Goffin
TFFツアー・バンド参加から5年後くらいになる2002年に発表された4thアルバム。ダンサブルな音づくりで知られるプロデューサーで夫のGreg Wellsとがっぷり四つになってつくられている。その割にはあからさまにダンス・ミュージック的なアレンジなんかはなく、ちょい高音ハスキーな女性ボーカルを中心に据えて地味に丁寧に現代風にまとめてみましたどうぞという出来。やっとよくわかっているプロデューサーに出会えて良かったねと云ってあげたくなっちゃうぜ。曲によって前年に出たRolandのソロ『Tomcats Screaming Outside』っぽいキーボード使いだったり、ドラムンベース的な風合いになっているところが興味深い。ま、時代だよね。個人的には曲冒頭の入り方が独特で、曲全体も面白い構成になっている「Only Water」がかなり好きで繰り返し聴いたね。ラストに収録されている弾き語り「Quiet Anesthesia」も、これが本来の彼女なんだろうなぁと思わせてくれてイイ。意外なほどTFFファンもすんなり入って行ける仕上がりになっているので、まだ聴いていない人にも自信をもってオススメしたい。ぶっちゃけけっこう安く出回っているしな。
なお、レトロでムーディな雰囲気が楽しい「Sleep With Me Instead」1曲にだけTFFバンドの元同僚Jebin Bruniが参加しているんだが、紹介はまたの機会にしよう。ただでさえATFFって文章長いんだもの。

参考:YouTube「Sometimes A Circle」(universalmusicgroup公式)

ちなみに、彼女のMySpaceをご覧いただくと一目瞭然なのだが、『Bad Little Animals』という配信のみのアルバムが出て間もない。これ久々に名前見た元Shakespear’s SisterのMarcella Detroitなんかとコラボレートしているようで興味深い。ちなみにTFF関連では、『ELAHE』の「Secret World」でもお馴染みPaul Buckmasterがアレンジャーとして参加しているようだけど、この人っていろんな作品に顔出しているからなぁ。そのうちちゃんと聴こうかと。

さて、次回は米ローカル・プログレ・バンド出身で、超マイナーなGENESISカバー・バンドからその本家GENESISまで(……何だよそれ?)、八面六臂で活躍するあのドラマー、行ってみようじゃないか!

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