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2009/10/22

Around TFF 8 『Karma』 NDV (Nick D'Virgilio)

それではこの人、『Everybody Loves A Happy Ending』のレーベル交替劇について言及してくれたことで彩音でもTFFの当時の状況をお伝えすることができたという、ご存知、NDVことNick D'Virgilioである。実はRoland's TFFから現メンに流れてきたのはこの人だけ。他はすべてCurt人脈のメンバーなんだよな。『ELAHE』録音時のドラマーであるFred EltringhamがThe Wallflowersに加入してしまったため結果的に復帰したような雰囲気もあるのだけど、個人的にはこの人選は大正解だったんじゃないかと。思うにこの人、メチャクチャ「良い人」な気がするのだ。人間的にもドラマー的にも。周りに合わせながら自分を主張できるようなところが見え隠れしているんだよね。そうそう彼のMySpaceにはTFF夏のツアー動画(YouTube経由)がズラー並んでいるので未見ならどうぞ。こういう映像を観てみてもよくわかる。人柄が滲み出ているもんなぁ。
さて、ルックス的にも名前的にも中近東の血が混じっていそうなNick D'Virgilio(ニック・ディヴァージリオ)は、アルバム『The Light』で1995年にメジャー・デビューしたアメリカン・プログレッシブ・ロック・バンド、Spock's Beardのドラマーとして知られている。だが、TFFの歴史にもつながる人物と、その前年にGenesisのトリビュート・ライブを行っていたのだ。それがKevin Gilbert。後に発表された彼の作品『The Shaming of the True』にもNickは全面参加している。最近のミュージシャンの常で掛け持ち的な活動をしていたんだね。そして1996年、これは推測なんだけど、Kevin GilbertとTuseday Night Music Clubで一緒に活動していたBrian Macleodがツアーから離脱するにあたって後釜に推薦したんだと思うのね。『RATKOS』発表後の「Live Kings Tour」でTFFのツアー・ドラマーに抜擢された。その後、2001年のRolandソロ『Tomcats Screaming Outside』にも付き合っている。Rolandと相当ウマが合ったんじゃないかしら。
ちなみにその間の1997年にはPhil Collins脱退後のGenesisが出した唯一のスタジオ・アルバム『Calling All Stations』 でドラムを叩いたりもしている。今でこそカバー・バンドのボーカルが本家で歌うJourneyとかYesとかがあるのでフーンという感じだが、ライブで楽曲コピーしてウヒャウヒャ云っていた一介のローカル・バンドのミュージシャンが本家で仕事するってのは凄いことだったんじゃなかろうかと。それだけ実力もあるということで、『Calling All Stations』 でもきっちりタイトな演奏を聴かせてくれている。その後のツアーには参加しなかったけど。で、Spock's Beardからボーカルが脱退したのを受けてドラマー兼ボーカリストになるというまさにGenesisにおけるPhil Collinsの立場になってしまったり、いまだにこの人、Genesisのカバー・バンドであるRewiring GenesisPeter Gabriel時代の楽曲を中心にトリビュートしていたりする。愛すべきGenesisバカ一代。Rewiring Genesisも完コピを目指すのではなく独自の解釈をかませて、かつクオリティの高い演奏をしているので、機会があれば多くの方に聴いてみてほしいものだ。
他にもZappaバンド出身のギタリスト、Mike Keneallyとの活動なんかもあったりする。ま、曲者な玄人に好かれているわけだ。もちろんRolandもそうだろう?

Karma

Karma』 NDV
最初に云っておくがTFFの「Road Of Karma」という曲とは無関係。Nick D'Virgilioの1stソロ・アルバムだ。2001年発表ということで『Tomcats Screaming Outside』と同年の作品なんだな。サンクス・クレジットにRolandの名前はあるが参加はしていない。ちなみに音楽的にもTFFっぽさはあまりない。だが、マルチ・ミュージシャンのソロ作ならではの密室感みたいなところでは近しいものがあるし、楽曲を構築することに比重を置きつつボーカル・ラインをおろそかにしないという点では共通項があるといっていいだろう。演奏の方ももちろんブレがなく軽やかでシャープなリズムが面白いし、粘り気があるのに澄んだイメージのある歌声もイイ。中盤の「The Waters Edge」「Come What May」という切々としたバラード2連発なんか泣かせるぜ。その2曲などバラード系以外は基本的にリズムとギターが合わさる妙味を中心に据えていて、全体はいわゆるアメリカン・プログレならではの「重くないのに深い」まとまり方。比べるとSpock's Beardの方が重さを感じるというくらい。ラストの20分近い組曲「Playing The Price」も、のんべんだらりと盛り上がっていく作風で、テンションは高くないがジワジワと熱くなれるぞ。

ちなみに他に機会がなさそうなので、ここで紹介しちゃうのだが、Mark O'Donoughueというエンジニアがおってね。この方、『Elemental』からRolandの『Tomcats Screaming Outside』まで参加しているほか、バック・コーラスやピアノでちょいと演奏もしていたりという。あ、エミリアナさんの『Love In The Time Of Science』にもクレジットされている。プロデューサーのTim Parmerと一緒に仕事することが多い方だそうで。ああ、なるほどねと。で、彼の参加しているローカル・バンドの名前がたまたまKarmaというのだ。彼らのMySpaceで曲を聴く限り、昔ながらのロックだなぁという演奏。マンチェスターを中心にライブ活動を展開しているらしい。TFFとはまったく共通性が見出せない音楽なんだが、ブリティッシュ・ロック好事家には追いかける価値があるかもね。配信楽曲や『Live@Academy 3』というDVDが彼らのサイトから入手可能になっているぞ。

そんなわけで次回のATFFは現メンに戻って、お待たせのCharlton Pettus君を数回にわたって紹介するはずだ。

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