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2010/11/18

Around TFF 14 『Life Behind the 21st Century Wall』 Johnny Society

はい、お久しぶり。読み返していただくと話が早いのだが、とりあえず前回の続きみたいな感じでスタートせざるをえない。放っておいたオイラが悪い……。

Hunk崩壊後、ギタリストで中心人物だったKenny SiegalとドラマーのBrian Geltnerは、新たなバンドの結成を画策していた。元々ふたりは、ニッティングファクトリー周辺でプログレ(!)・ミュージシャンとして話題を呼んでいたChris Raelが始めたプロジェクト・バンド、The Handに1995年からHunkと並行して参加しており、たぶんHunkがなくなってもこっちがあるわいという状態だったんだね。しかし、Chris Raelからこれまた彼がもうひとつ並行してやっていたバンド、Church of Bettyの活動に専念するという話が出て腹を括らざるをえなくなった。それならばと、ここにJohnny Society誕生と相成ったわけだ。

それにつけても『Hunk』発表の翌年にあたる1997年に、The Handで『Mule Me』『Sad Circus Clowns』というアルバム2枚、そしてJohnny Societyの1stアルバム『It Don't Matter』を出しており、いかに音楽創作活動に充実した時期だったかが理解できようというものだ。 Kennyはギターだけでなくボーカルも担当。引き続きゲストを迎えつつ翌年にも2ndアルバム『Wood』を発表した。
この後、パーマネントなベース&バック・ボーカル担当としてBlueberryの名前でソロ活動もしているマルチミュージシャンのGwen Snyderという女の子を迎え入れた。ま、今ではKennyの奥さんでもあるんだけどね。このトリオをベースとして録音された最初の作品『Clairvoyance』を2000年に発表。この頃までにインディーズではけっこう知られた存在といった立ち位置にいたようだが、『Lost Songs of Lennon & McCartney』というBeatlesのトリビュートCDに参加し、Cheap TrickのRobin ZanderやThe B-52sのKate Piersonと共演したことで、さらに知名度を上げたんじゃないかと思うね。

Life Behind the 21st Century WallLife Behind the 21st Century Wall
Johnny Society

彼らは既に5枚のアルバムを発表しているのだけど、最新作ではなくて4thアルバムにあたる本作を採り上げることにしたのは、2003年発表ということで 『Everybody Loves A Happy Ending』発売のちょい前に出ていたからだ。あとジャケットでメンバーがわかりやすい感じだったのが本作だけだったというのもあるけど。右からBrian Geltner、Kenny Siegal、ひとり飛んでGwen Snyder。飛んだグラサンはBrion SnyderでたぶんGwen Snyderの弟。クラリネットとかピアノとかを演奏しており、ヘルプで入った感じだろう。Johnny Societyの音楽性を簡単に表現すると、オルタナ系だけどあんまり暗さのないアメリカン・ロックということになろうか。ただ、歌詞の中にはちょろちょろアイロニカルな部分が見え隠れしている。アルバム・タイトルからして『21世紀の壁に隠れた人生』と意味深だ(11曲目の歌詞から取っている)。1曲目の「Charity」なんてスゴイんだぜ。投げやりに「チャリティ~、あんたの金をくれ~」とほとんどそれだけを歌い続ける。ラブソングも多いんだけど、どこか自虐的な感じだったり。ぶっきら棒な歌い方と演奏が主体。しかし、その一方で繊細さも見え隠れしているわけだ。で、TFFっぽさはどうなのかというと、けっこう感じられる。ただ、まぁ、TFFというより『ELAHE』っぽさと云った方が近いかもしれない。とりわけラスト2曲が醸し出す雰囲気は、ビートルズ的な楽曲をアメリカン・ロックの空気でブラッシュアップしたような煌びやかさと広がりがあってなかなかステキだ。

さて、『ELAHE』でJohnny Societyメンバーが参加しているのは「Size Of Sorrow」と「Who Killed Tangerine?」の2曲。「Size Of Sorrow」はローランドの曲なのにカートのボーカルという、再結成を象徴するような楽曲。ドラムにGeltner、ゲスト・ギターにSiegalを迎えており、このパートのレコーディングはTom Schickが行ったとライナーに書いてある。Tom Schickは『Life Behind the 21st Century Wall』のプロデューサーだ。どうも同じ時に録音されたものと見て良さそうだ。一方で、Johnny Societyっぽさはあまり感じられない。ま、アレンジが静かに進行するものになっているせいかもしれないけど。アルバムでも次の曲になっている「Who Killed Tangerine?」ではSiegalとSnyderがバック・ボーカルで参加している。が、その他大勢的なコーラスで個性を発見できるはずもなく。でも、こっちはTFFが録ってるスタジオに彼らがやって来たんだろうからして、交友みたいなものはあったのかもという推測は立つ。

彼らをTFFに紹介したに違いないCharlton Pettus君は、付かず離れずな感じで常にちょっとだけバンドをお手伝いしているような状態になっている。『Wood』では1曲のみ作曲で共作。『Clairvoyance』では2曲を共作。そして本作では「Love」という曲で共作している。ちなみにだが、この「Love」はバックボーカルに彩音でも何度か紹介しているAdam Cohenを迎えている。何かそうかそういうとこにつながっていたりもするのね、みたいな。最新作は2005年の『Coming to Get You』なんだが未聴ゆえ関わりがあったか不明。

なお、Elyas Khanという髭のオッサン率いるNervous CabaretというバンドにはJohnny Societyのメンバーがガッツリと参加しているので深掘りしたくなったら同名アルバムなど出ているので追いかけると良いのではないかと。

あとKennyは昨年、初のソロ・アルバム『Eleccentricity』を発表している。日本での扱いはなかったのだが、先日のアマゾンMP3取り扱い開始でめでたく買って聴けるようになった。ビバ、ロングテール商品! 未聴だけど、これは聴くのが楽しみだなぁ。

次回ATFFは、RO氏の弟バンドで一席。

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