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2011/09/08

映画『BECK』とは何だったのか

気がつけば公開からほぼ丸1年にもなっているんだが、「え? そんなもんなの?」なんて思いつつ、このネタ。ネタバレはたぶんあるので、気になっている人はマンガ読んで映画観てから読んでほしい。

さて、公開前後からのオイラの『BECK』に関する変化は以下の通りだ。

音楽映画でマンガ原作なんだフーン → ヒロとか佐藤健(さいたま市出身ここ重要)とか向井君とか起用してズルイなー結局みんな観に行くんだろうなー → 「エボリューション」PVを観ておまレイジアゲインストかよプゲラ → そういやマンガの方は読んでみてもいいか(今年に入ってから) → 立ち読み「面白いじゃないか!」 → 立ち読み2回目「面白いじゃないか!」 → 何度となく立ち読み寄り抜き「おおおもしろいじゃないか!」 → ……映画も観てやるか → なるほど

映画『BECK』 クツナかわいいよクツナ鑑賞後にザッとネット上にある感想文に目を通してみたところ、だいたい論調は一緒で、役者はマンガに激似だし頑張っていたが、マンガで云わんとしていた「ロックを演る」という部分は描けていないよねという感じだった。まったく同感だ。映画のバンド・BECKが演奏する楽曲はポップだし、5人のケミストリーを感じ取れるような場面もほとんど出てこない。まぁ演奏場面からして少ないからなぁ。あと漫画のバンドは「ウィアーザベック、ウィアーザベック!イェイイェイ!」とか歌わない。こっ恥ずかしいから。コユキの歌声を音声消して表現したのも、アリだけど手法としてロックじゃねえよなぁとも思う。漫画読んだ後だと特に漫画的手法をそのままやっちゃってズルイ気がする。映画『BECK』は、マンガ『BECK』のストーリー中盤までのシーンを無理ないよう丁寧にダイジェストで追いかけていくが、別個の作品としてマンガ『BECK』のごとき、またはマンガ『BECK』とは違ったアイデンティティを持たないままラストまで行ってしまう。それはたぶんスタッフの「BECK愛」故に。壊したくないという想い故に。それも凄くわかる。どんなに表層的でも「BECK愛」にはあふれているんだこの映画。だから観客はスタッフってか監督をいまひとつ断罪できないのだ。

だってしょうがないじゃん。本気で本当のBECKというバンドを作り出すドキュメントを撮る以外、原作を超える手はないんだもの。それさえ、漫画ありきでスタートする時点で商業ベースにしかならないわけだから、厳密に云えば最初から成立していないという見方もできてしまう。

オイラがたどり着いた結論:
映画『BECK』とはマンガ『BECK』のための秀逸なプロモーション映像だったのだ。

34巻に及ぶ漫画の壮大な宣伝映像として観れば文句つける場所はほとんどなくなる。

マンガ『BECK』 弘美ちゃんぺろぺろマンガ『BECK』は面白いよ。まったくもって奇跡の連続で展開するという意味ではご都合主義なお話なのだけど、それを補って余りあるキャラクターたちの人間くささが魅力的なんだ。とりわけ、自分の身に起こる悪い事さえもなるべく肯定的にとらえ、どんな状況下にあっても自分の立ち位置を変えない、雑草魂ここにありなキャラクターである主人公コユキはよく描けていると思う。悔しさや悲しみを飲み込んで外に出さず、何事もあるがままに受け入れる。それは難しいことだ。インスピレーションに従って生きる。それも難しいことだ。その背景にある素直さや信じる力は清々しい。困難を受難として消化し、敵対するという感覚を元々持ち合わせていないコユキを、映画では残念ながら描き切っていたとは云えない。いいか、実はそこだ、そここそが『BECK』という作品の核であるにも関わらずだ。最終的に映画『BECK』に残った不満というのはやっぱりそこなんだよね。もったいない。
そしてもうひとつの大きな魅力が、漫画なのに音が聞こえる気がしてくるところだ。演奏シーンが描かれているだけなのに。躍動感あふれるミクスチュアロックがガンガン鳴る。たぶん読者の数だけ「シスター」や「Human Fly」や「Out of Hole」が脳内で作曲されているんじゃないかと思う。オイラの頭の中にある「シスター」だったり「Human Fly」、あと「Tabasco」なんかをお聞かせできないのが残念な限りだ。
ま、そんな名作マンガに出会うキッカケを与えてくれた映画(とその宣伝)には感謝してやまないわけだ。こういうことを云う人間を生んだというだけでも、プロモーションは大成功なんだろうな。それでいいじゃないか。

しかしいま連載中の『7人のシェイクスピア』は、演劇やってたオイラだからってわけでもなく、イマイチ面白くない作品だなと思うんだよね。想像通りの展開しかしてくれないというか。史実に沿わなくてはならないという大まかな制約はあるにしても、不明な部分も多いわけでね。いくらでもフィクションで変えられる幅のある題材なのだから、史実に沿うことより史実からはずれることの方に比重を変えて、もっと破天荒でドラマチックな躍動的なストーリーにしてほしい。こっちは期待しているんだからさ。

おまけ:映画がカブトムシから始まるのはまぁわかりやすいシークエンスで嫌いじゃないけど、途中でやたらトンビが飛んでいるのは何なんだろうか。Black Kiteなんてバンド、ないよね? あんまり意味ないのかな?

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