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2013/08/16

Around TFF 18 『説到愛』 蔡健雅 (Tanya)

Around TFF(ATFF)はTears For Fearsの周辺ミュージシャンを紹介しつつ、TFFの音楽性を読み解くヒントが見つかればと思いつつ書いているところがあるわけなんだけど、今回紹介する蔡健雅(ターニャ・チュア/タニア・チュアとも)のこの作品なんかは実のところ「TFFの今」を探るヒントにあふれているような気がするのだ。

説到愛説到愛』 蔡健雅 (Tanya)
2011年発表。台湾を中心に活躍するシンガポール出身の実力派女性SSW、ターニャ・チュアのアルバムで、サビなどを除けば全曲北京語で歌われている。サブタイトル的に「Sing It Out of Love」と入っているのでタイトルはそんな意味なのだろう。セルフ・プロデュース作ではあるが、TFF組のCharlton PettusDoug Petty、Jamie Wollam(と、ジャズ畑のベーシストであるBrian Allen)が全面参加&アレンジを担っており、アルバム全体のイメージは彼らに委ねられたといっていいつくりになっている。TFFは前年に台北公演を行っているので、その辺りで打ち合わせ&レコーディングの流れになったのだろうと想像できる。誰がセッティングしたのか絶妙なマッチングで、TFF現メン推しなら必聴の作品に仕上がっている。核にあるのはかなりかなりソフトになったStevie Nicksっぽいターニャの歌声なのだが、バックは最新TFFのあの音。タイトでムーディーで緻密に織られたカーペットのような世界があるのだ。特に表題曲(台湾ドラマ「姉妹」の主題歌)は云っちゃえば「大きな古時計」並にシンプルな曲なんだけど、ピアノをベースとしたアレンジで「これしかないだろ?」と思わせられるほどの見事な演奏になっている。とにかく北京語なもんで、歌詞カードの漢字とにらめっこしながら意味を追うしかないのだけど、ほとんどがラブ・ソングのようだ。しかし、単純な愛の歌ばかりではないことが曲調からもうかがい知れる。アコースティックなアレンジの演奏もたまに顔を出す。その中でもターニャ自身のギターをフィーチャーした4曲目「舊行李」が白眉だ。TFFっぽさからは一番遠いアレンジではあるんだけどね。それにつけても才能のぶつかり合いがうまいこと結実すると、こうも素敵なアルバムが出来上がるものかと舌を巻く。TFFのふたりが制作中なはずのニュー・アルバムにも彼らは名を連ねるだろう。本作を聴けば、わくわくしながらその音を想像することができるにちがいない。


ちょっとTFFっぽさがあるような気もする本作3曲目の「可愛」。

なお、ターニャは本作と同時に『Just Say So』という全曲英語&収録曲すべて別なアルバムも発売しているのだけど、そちらは何故か全然ちがうメンバーで録音されているようだ。

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