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2014/07/29

「アメコム秘宝 Vol.19」はバッドガール三昧という趣向

「アメコム秘宝 Vol.19 BAD GIRLS EXPENDABLES」友人のロヒキア君が「アメコム秘宝 Vol.19」を出すということで献本が届いた。今回は残念ながらオイラの寄稿はございませんのだが、これをお題に何か書かなくてはならないことは自明の理。おう、書くぜ書くとも。「BAD GIRLS EXPENDABLES」と題した、おにゃのこいっぱいでアメコミ女性キャラクター掘り下げまくりの素敵な一冊となっているので、それにちなんだちょっと面白いアメコミ関連CDを紹介してみる。実は今回の「アメコム秘宝」の中ではちょっとしか登場してない作品なんだけど、表紙の左下には主人公がちゃんと描かれているのでまぁいいだろう。


Song of the WitchbladeSong of the Witchblade - A Soundtrack To The Comic Books
「ウィッチブレイド」という作品は日本でもアニメ化されているので一部では知られたタイトルなのかもしれないのだけど、日本独自の設定になってしまっているので、おそらくアメコミとしての認知度は低い。何しろ実写映画化とかもされていないし、TVドラマ版はあるのだけどWOWOWで放送されただけで日本盤DVDも出ていない。しかし、寄生獣みたいな生物兵器を半裸の女がまとって悪に立ち向かう的な設定は、もうそれだけで忘れかけていた自分の中の男を奮い立たせるってなもんだ。ああ、そんなにバッドガールじゃないから「アメコム秘宝」にはあんまり出てこなかったのかな。格好はどっから見ても悪い娘っすけどね。
さて、そんなアメコミ・シリーズそのものを材にとった擬似サウンドトラックとして作られたのが本CD。ご存知のMegadethやシラネエよのSubcircusという有名無名バンドの楽曲も収められているが、それ以外は、Kat Bjellandなる女性によって演奏やコンセプトがかっちりコントロールされており、聴き応えある一作にまとめられている。Kat Bjellandは、Babes in Toylandってな女3人組パンク・バンドの中心人物で、Courtney Love(Hole)、Jennifer Finch(L7)とSugar Babydollというバンドを組んでいたこともあるという、そうだよあのシアトル・グランジ・シーンの端っこの方にいた人なんだとさ。Babes In Toylandが1990年に発表した1st『Spanking Machine』を聴いてみたらもうガシャガシャした演奏にシャウト&シャウトってな感じでなるほど納得なんだけど、本作ではその片鱗があまり感じられず、むしろ抑制の効いた理性的なミクスチュア・ロックといった仕上がりの曲が並んでいるんだ。実は本作にもBabes In Toyland名義の曲が収録されていたりするのだけど、1998年ということでバンドが解体する直前というか最後期の音ということになるようだ(その辺、Wikipediaにも出ていないんだけどね)。
オススメ・ポイントのひとつは、そんなKatさんが「ウィッチブレイド」の主人公・Sara Pezziniに扮して歌っているところ。ワイルドかつ情感豊かに。そしてゲスト・ボーカルが何人も登場するのだけど、Katの影響を受けた部分があるのか、皆さん声にキャラクターが乗っかってる感じとノリノリで楽しんでる雰囲気が伝わってくる。プログレッシャーに注目してほしいのは「Bruxaria」という9曲目で、ギター&ボーカルにArto Lindsay、ボーカルにMiho Hatori、そしてドラムがNana Vasconcelosという「どうしてそうなった!?」と云わざるを得ない強力なゲストを迎えた布陣によるボサノバな小曲となっている。アルバムのハイライトは10分近くに及ぶ「The Bataglia Suite: Pezzini La Virago / Wallow / Assassin」だろう。ちゃんとしたっていうのも何だけどちゃんとしたモダン・ロックな感じがなかなか良いじゃないかと思ったら、元Nine Inch NailsのChris Vrennaが参加していた。また、2曲のカバー・ソングが収録されていて、これが選曲も内容も面白い。「I Put A Spell On You」はショック・ロックの古典と呼べる存在のScreaming Jay Hawkinsがつくった超有名曲。今風なアレンジで原曲の狂気は後退しているが、素直にカバーして普通に良いまとめ方になっている。そしてラストに収録された「Witchy Woman」はこれまたスタンダードなEagles1stアルバムからのナンバー。当然、単なる「魔女(Witch)」つながりなだけで収録されたのだろうけど、5人の女性ボーカルが歌い継ぐスタイルが「Witchblade」というか本作をうまくまとめており象徴的だったりする。ちなみにその5人の中にはLydia Lunchもいたりするんだぜ。
ということで、歌詞を見ていくとさらにろいろ楽しめる部分があったりしそうなんだけど、その辺はもっとディープなファンにお任せするとしてこの辺で。想像以上にいろいろな切り口から楽しめたアルバムだったなぁ。
で、そんな「Witchblade」に関する記述もちょっとだけ(汗)登場する「アメコム秘宝 Vol.19」は、夏コミ会場のどこやらで買えると思うので、みんなで探そう!

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