カテゴリー「カンタベリー音楽」の41件の記事

2013/09/20

Tony Coeといえば『ピンク・パンサー』の謎

Tony Coeというテナー・サックスがメインのサックス奏者がいるんだ。英国・カンタベリー出身で、いわゆるカンタベリー音楽のミュージシャンではあるのだけど、いわゆるカンタベリー音楽のミュージシャンとの共演が少ないせいと、彼のオリジナル作品のCD化があまり進んでいないという理由から、わが国での認知度は低いのかもしれない。オイラもオリジナル作品は『Le Voix D'itxassou』と『Mainly Mancini』しか所有していないのだけど、ムーディというかセクシーというか、実に艶のある音を出す人なのでかなり好きなわけだ。

そんでもってTony Coeについて調べていくと、たいがい「あの『ピンク・パンサー』のテーマでおなじみの」という冠がつくのだよ。実際、『Mainly Mancini』の1曲目もそれなんだ。ま、タイトルからして「マンシーニ」と作曲者の名前入れているし。ちなみにこのヴァージョンのピアノはJack Bruce BandやJeff Beckとの共演で知られるTony Hymas。このふたりにTerry Bozzioが絡んだThe Lonely Bearsなら知っているという人はそこそこいるかもしれない。心配すんなお前もマイノリティーだ。

と、ところがですよ。さらに調べると、「あの『ピンク・パンサー』のテーマでおなじみの」という人がもうひとり見つかるのよ。

アルティメット・ピンク・パンサーThe Ultimate Pink Panther』 Henry Mancini
それがPlas Johnson。82歳でまだ存命だそうだがB.B. Kingのバックで吹いてたとかそういうサックス奏者だ。一体どっちが本当なのか。一気に片をつけちゃろうと入手したこのピンク・パンサー音楽を選り抜きしたアルバムは、どうやら初CD化だったらしい『暗闇でドッキリ』からの2曲なんかも含めて、まー素敵な素敵なマンシーニ節が満載な内容だったのだけど、多くのサントラと同様に演奏者についての情報がほとんどライナーに載っていないのよ。で、日本語解説には「かの有名なテーマ曲はマンシーニがプラス・ジョンソンを念頭に書き上げた」的なことまで書いてあって、もうなんつうかどこ行ったートニー・コーさーん状態なわけだ。で、さらに狂ったように調べまくった。ああ、調べまくったさ。その結果、だいたいわかった。要するに最初の一作目のサントラに収録されたのはPlas Johnsonで、3作目にあたる『ピンク・パンサー2』以降のサントラに収録されているのは全部Tony Coeが吹いたということのようなのだ。何でまだ曖昧な書き方なのかというと、結局ちゃんとした演奏者データが見つからなかったからだ。てか、各作品のライナーにもそういうデータがあったりなかったりらしい。だから、いろいろな人の話を総合した結論というわけでござる。そういうことならどっちも「あの『ピンク・パンサー』のテーマでおなじみの」で許してやってもいい。本作にTony Coeヴァージョンの「The Pink Panther Theme」が収録されていれば聴き比べも容易かったのだけど、16曲目のメドレーの冒頭でしか聴けないのでピンと来ない。そこでYouTubeですよ。「The Return of the Pink Panther Intro」で検索するとすぐだ。聴けば一発。すんごく艶っぽいっす。Plas Johnsonが吹くためいきのようなというかやるせなさ交じりなような演奏も印象的なのだけど、よりコメディ色を増した映画にはCoeさんがピッタリだったのだろうなーという、そんな思いで胸がいっぱいだ。どちらも良い。なんという素晴らしいハッピー・エンド。ダダーン。

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2012/02/13

Whitney Houstonの「思い出」

ホイットニー・ヒューストンさん死去 全米に衝撃

一時代を築いた女性ボーカリストの突然の不幸に驚きを禁じえない。
訃報を聞いて「えんだあああああ~♪」と口ずさまなかった日本人はいないはずだ。

One_down_materialWhitney Houstonといえば、Materialの2ndアルバム『One Down』に収録された「Memories」をゲストで歌った人としてカンタベリー・ファンにとっても忘れえぬ存在だ。Hugh Hopper作で、とりわけRobert Wyattに愛唱されてきたことで強く印象に残るカンタベリー・ポップスの代表曲のひとつ。何しろWilde Flowers時代から録音が残っているんだもんね。それをなぜか彼女が歌った。どういう経緯だったのかBill Laswellに聞いてみたいものだ。サイケデリックだったりドリーミーだったりするアレンジのヴァージョンが多い中、Material版は都会的な雰囲気の伴奏を背負いつつ哀感を込めながら足元を踏みしめるように歌うホイットニーが実に鮮烈だった。これが事実上、彼女のデビュー音源ということになるらしいんだけど、その後の彼女の人生にシンクロしてしまったようにも感じられて、今聴くと切なさ倍増だったりもする。要するに連れ合いと別れた人が、思い出にあふれる町から出て行くことができない、人生を前に進めたいけど一歩踏み出すことができないという歌詞なんでなぁ……。RIP。

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2011/03/29

Camelの『A Live Record』が安いよ

Camel 『A Live Record』A Live RecordCamel
気がついたら2枚組リマスタ&ボートラ7曲入り盤がアマゾンで1000円割れしていたのでやっとこ購入。こんなに安くてちゃんとラティマーさんまで印税が行くのだろうかと心配になるくらいだ。なお、左ジャケ写は届いたCDにデザイン準拠した。オリジナルとは曲順が変わったがクリアーな音質で名曲名演をガッツリ楽しめる。年代も場所も違う6公演からの寄り抜きライブ・アルバムで、安定したアンサンブルのオリジナル編成(+オーケストラ共演)と、スリリングな展開をテクニックでより至上なものに昇華するRichard SinclairとMel Collinsが加わった所謂第2期編成の両方を聴くことができるのがミソ。これがまたどちらも捨て難い演奏で、それぞれの面白さがあるんだなぁ。CD1は本当にどの曲も素晴らしい出来なのだけど強いて挙げれば「Skylines」のムズムズしたリズムに乗って各楽器が閃きまくるところが好きかな。CD2では何つっても「Dunkirk」におけるバンドとオケの盛り上げ具合が最高。勇壮にジワジワとテンションが高まっていく。これはもう組曲の途中でも観客から拍手が出るわいなーと。

ちなみにCD2のボートラ2曲を演奏する姿がDVD『Moondances』で観られるらしい。

最近のラティマーさんはどうしていらっしゃるんでしょうなぁ。公式サイトも今年に入ってまだ更新がなく、ちともどかしいところ。お元気にしていらっしゃればいいのだけど。
そうそう、CAMEL FAN WEB SITE JAPANってのがあってね。こっちは2004年から更新がないんだが、実はどこかのページにオイラの感想文が載っていたりする……。ま、学生のときの文章なんだけどさ。元々、それはCamelファンクラブの会報に載っていたものでなぁ。その感想文のすぐ近くにプログレ好きなら知らない人はいないCD屋「WORLD DISQUE」の現店長・中島君の感想文があったりしたんだよなぁ。遠い昔の話ね。

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2011/01/07

Mick Karn 逝きてポリポリ

Mick Karnがお亡くなりになった。一足早く逝ってしまったSteven Wilson JPBO(戻って来ーい)さえ緊急的に記事を出していた(もう下げちゃったが……)ため、肺ガンで闘病中というのは存じていたのだが、享年52歳は早すぎる。RIP。

これも聴いたよAndy Rinehart 『Jason's Chord』ということで追悼にあのボリボリ、ポリポリしたベースを聴こうと、「えーと確か持ってたよなポリポリ……『ポリタウン』……」と家探ししたものの見つからない。おーい、どこ行ったー! 仕方がないのでDavid Tornのソロだとか、Jakkoのソロとか、小林明子とかを聴いた。なぜJapanやら本人のソロを聴かないのかというと、CD持っていなかったのだ。あ、つまるところテープならあるんだがな。
何だかハッキリしない音色で、速い曲でさえのんびりポリポリ奏でていく印象のあるカーンさんのベース演奏や音楽や人間性を、嫌いな人ってのはあまりいないんじゃないかと思う。だからいろいろなアーティストのバックで弾いたりもしているのだろう。そしていつもポリポリ同じ調子だ。分け隔てなく。やはり良い人ほど早死にするのだろうか。うーむ。

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2010/01/06

Robert Wyatt 『Cukooland』時のアウトテイクが無料ダウンロード可能!

思いのほか紹介されていないようなので書く。

Robert Wyattが2003年に発表した『Cukooland』時のアウトテイクを発展させたトラックが、Phil Manzaneraの主催するレーベルExpression Recordsのサイトから0ポンドでダウンロードできる。つまり無料ダウンロード可能ってわけ。

タイトルは「The Unknown Zone」。4分46秒のサイケデリック体験といった仕上がりだ。いかにもアウトテイクって感じで、最後は唐突にブチ切れるけど。Wyattのキーボードに加えて、Phil Manzaneraのギター、Brian Enoの混沌としたドラムとシンセ・ベース、Yaron Staviのダブル・ベースという布陣。元々はManzaneraのスタジオでWyattが録音していたところに晩御飯食べに(?)立ち寄ったEnoが一緒にジャムったりオーバーダビングしたもので、Manzaneraが自身のアルバム『50 minutes later』のトラックにすべく発展させたもののようだ。そういえば後半部分はWyattよりManzaneraの色が濃い気もする。カンタベリー風味のサイケデリック・ミュージックというなかなか面白いものになっているので聴き逃している貴兄はぜひどうぞ。

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2009/11/04

Stewart & Gaskinのアノ未発表曲集が初CD化

云うまでもなくオイラのオールタイムベストキーボーディストはキーボーやでぇ違うDave Stewartなわけなんだ。ところが忙しさにかまけてこれが最後かもしれないと煽られていた今年初頭のDave Stewart & Barbara Gaskin来日公演には足を運べず仕舞いだわ、何年ぶりに出たのだかも忘れているので今調べたら実に18年ぶりだったという最新アルバム『Green and Blue』もまだ入手していないわというこの体たらく。ファンとしていやさ人としてどうかと思う。ということで、アノ未発表曲集が新タイトルになって11/20に初CD化になるらしいよ。

TLG Commemorative CD

『TLG Commemorative CD』 Stewart & Gaskin
2001年、Stewart & Gaskinの2回目の来日公演が当時お台場にあったTribute To The Love Generation(略してTLG)というライブ会場で行われた。この時は身重の奥さん連れて無理繰り参戦したんだなぁ。その際に販売されていたのがこのCD-R。Broken Recordsの表記も入ってれっきとした正規盤である。一部を除き、未発表曲と未発表バージョンのオンパレード。しかも来日公演で演奏された曲もあって、個人的にワクテカが止まらなかった文字通りコメモラティヴな一作なんだ。いくつかは『Green and Blue』に収録されたわけだが。で、歴史に埋もれてしまっても仕方がなさそうなこいつが『The TLG Collection』というタイトルでdiskunionから再発になるそうだ。元がCD-Rなので初CD化なわけ。日本各地に生息するDave Stewartファンのみんな! 持っていなかったら買うんだぞー。

The TLG Collection

ジャケ絵はずいぶんと変わっちまったんだな。

ちなみに結果的に女子のCD紹介になったが、次回は久しぶりにアイドルものでも。

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2009/10/06

カナダのクリムゾン・フォロワーの新譜

Avanti

Avanti!Miriodor
いまさらブリット・ポップ界に新たな旗手が登場!みたいな微妙なジャケットのアルバムが出ているなぁと思ったらMiriodorかよ、みたいな。ちょっとした驚きを感じつつもつい購入。安かったんでな。今年出た新作なのに。カナダのバンドなんでタイトルや曲名はフランス語……かと思ったら「Avanti」ってのはイタリア語らしい。まぁ全曲インストなので変な心配はしないでいい。それにCDの曲名表記部分には英語訳もすぐ横に書いてあるじゃん。親切。
聴くのは4thアルバム『Jongleries Elastiques』以来なのだけど、もう何と云うかジャケの変化がそのまま音楽性になっているような感じだね。トチ狂っていて飄々としていて、生真面目なんだか遊びまくっているんだかわからないバランスだった楽曲群も今は昔。ウヒャウヒャした管楽器は引っ込み、音に深みは増し、音響も立体的になり、危うさのまったく見られない実にタメの効いたギターを中心に都会的な音楽になった。悪い変化ではない。むしろアリ。特に良いなぁと思ったのは、King Crimsonが進化するにつれてどこかに置き忘れてきた叙情性みたいなものをちょいちょい感じさせられたからだろう。全曲8分を超える楽曲でダラダラ感もあるのだが、そこがまたイイのだ。てか、むしろ今はこういうダラダラ感のある音楽がオイラには必要なんだ。他の聴き逃してきた作品もこれから聴かなくてはなるまいと強く思わされたさ。
ちなみに「Avanti!」というのはムッソリーニが編集長を務めたこともあるイタリア社会党の機関紙の名前だそうだ。6曲目に表題曲が収録されているのだが……確かに演説っぽいサンプリングがちょこっとだけ出てくるなぁ。とりあえず全体的には政治色はあんまりない。アルバムの中では最もカンタベリー色が強く、途中、Caravanっぽいなぁとか思うような場面もあるのだけど、それがまたなかなかイイのだ。

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2009/09/08

DiskUnionのお兄サンの余計な一言にありがとう

その日、オイラはDiskUnion新宿中古センターにいた。あまり東京に行く機会がないため、少ない時間で集中してほぼ店中の棚をすべて見てまわるようなディープな客になってしまうのは仕方のないところだ。が、最近、体力が衰えたのか昔よりもすぐ首だの腰だの足だのが痛くなる。寄る年波には勝てんということか。もうダメだ~という身体の限界までガーッと見て、お小遣いで買えそうな下記の4枚を手に持ってレジに並んだ。

Peter HammillThe Noise
まだ聴いていなかったので、ATFF用に買った。ドラムがマニーさん。でも紹介するのは相当先になる予定なんだけどね。想像以上にストレートなロックだった。ちなみに新品で買うとリマスター盤になっているらしいが、知るもんか。

Robin HolcombLittle Three
最近になって入手した『Rockabye』が良かったので、あら安い!と購入。ピアノ・ソロとピアノ弾き語りでなかなか聴き応えがあった。この人はちなみにWayne Horvitzの奥さんね。盤にでっかい傷があったけど、値段からしたら仕方あるまい。音に問題なかったし。

Paul Dresher & Ned RothenbergOpposites Attract
ずっと探していた作品。予想を裏切りシリアスな感じはあまりなく、1曲目からカラフルな音像だったのでニンマリした。これは長く楽しめそうな1枚。なお、ドラムはRothenbergのSemantics時代からの盟友であるSamm Bennettだったりする。ジャケにひとつ噛み傷があったけど気にすんな!

Venus HandcuffsVenus Handcuffs
Bob DrakeとSussanne Lewisのデュオではないか。これまたずーっと気になっていた作品。しかも未開封。安っ。たいへん楽しみにして手に取った。でも未聴。

で、レジでお兄サンが云うことにゃ「本日、CD5枚お買い上げで10%割引になるんですがよろしいですか?」。……こちとら、もう疲れた、もういいや、もう帰るという気分だったのに、つい「あ、じゃもう1枚何か探してみます」とか云ってしまったじゃないかっ! で、ジャズ棚を朦朧としながら見ていたら、あるじゃないのスゴイのが。

Island Of Sanity

『Island Of Sanity -New Music From New York City』 Various Artists
ドイツのレーベル、No Man's Landから1982年に出されたコンピレーションCD。興味深いラインナップは、Elliott Sharpが人選したらしい。ここに収録された音源以外、残っていないバンドもある。しかも未発表曲のオンパレードなんだぜ。いきなり心地のよいミニマル曲で迫るDavid Lintonから始まって、Sharpを含む4人編成でダルな音を聴かせるMofungo、実は初めて聴いた変てこポップスのFish & Roses(Run Onは聴いているんだが、これはやはり微妙に違う世界だね)、ジャカジャカした音ながら貫禄の第2期Skeleton Crew、「うわーまさにあのアルバムの音だぁ」と妙に納得させられたJohn Zornのプロジェクト扱いになっているLocus Solus、高速Slapp Happyといった趣がカッコいいBump、ドラムとの2人編成でSharpのサックスがチンドンして素敵なCarbon、叩きモノ担当が3人いてとても愉快で軽快なBoshoといった辺りがツボにはまったなぁ。
アマゾンでは扱いナシ。HMVにはあった。モチのロンでオススメだ。

おかげ様で合計2000円しなかった。
そんなわけで、疲れている自分に「さようなら」。
DiskUnionのお兄サンの余計な一言に「ありがとう」。

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2009/06/21

Robert Wyattの新譜は1981年の貴重音源!

あんまり出回ってなさそうなカンタベリー情報が出てきたのでご紹介。

RADIO EXPERIMENT ROME,FEBRUARY 1981

6/30発売予定のRobert Wyattの新譜があるそうでな。Rai Tradeというイタリアのラジオ放送局のレーベルから出る『Radio Experiment Rome, February 1981』。これ、1981年のラジオ番組「Un Certo Discorso」で使われた貴重なスタジオ・ライブ音源だ。厳密には多重録音のバック・トラックばかりなのでライブではないんだが、おそらく歌は一発録りだろうからな。内容はワイアットの伝記『ロング・ムーヴメンツ』に詳しいのだけど、既存の音源を放送するばかりの毎日に疑問を感じた番組プロデューサーPasquale Santoliが、もっと制作初期段階の生まれたてに近い音楽をリスナーに伝えたいという意図の元、ワイアットに依頼して実現したドキュメント的な放送で使われた「曲名のある」音源(8曲)がすべて収録されている。実はすでに音源持っていて何度となく聴いているのだけど、マジで生々しいし、宝石を原石の段階で眺めてニヤニヤするようなちょっとヒネくれた楽しみ方ができる。中期のCANみたいな「L'albero degli zoccoli」とか、陰鬱に美しく広がっていく「Heaven Have No Souls」とか実に面白い。ちなみに「Billy's Bounce」と「Born Again Cretin」はレア音源集『Flotsam & Jetsam』にて既発だが、同時期に作られた他の作品と並べて聴いてみれば新たな発見があるかもしれない。結果的に「Born Again Cretin」だけは約2ヵ月後にキチンと録り直してシングル化された(『Nothing Can Stop Us』に収録)わけだが、他は全部ボツだったという事実も振り返れば衝撃的だ。ちなみに番組ではもっと制作途中状態の楽曲もいくつか放送されたようで、オイラの持っている音源にはリハーサルのタイトルでもう2曲ほど5分程度の未完成楽曲も入っていてな。どうせならここら辺もCD化しちゃえば良かったのになぁとは思う。元々の企画意図からしても。
しかし公式にCD化されるとは思ってもいなかった作品。収録時間は30分程度で、ミニ・アルバムみたいなものだが、まだ聴いたことがないというワイアット・ファンには必携の1枚であること間違いなし。だよ。

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2009/06/10

訃報続きで…… Hugh Hopper亡くなる

次はそろそろTears For Fears関連かな。忘れた頃だろうし。と思っていたところに飛び込んできた訃報。もう何か愕然としますよ。コメント欄でホッパー兄弟のこと書いたばっかりだし。

Hugh Hopperが6月7日に白血病で亡くなったとのこと。64歳。ホッパー兄弟の弟の方で、兄Brianより先に鬼籍に入ってしまった格好。昨年のHUMI公演での来日がポシャッたあたりから、どうにも雲行きがあやしいなぁとは思っていたんですがね……。カンタベリー音楽を知らない人に念のため書いておくと、そのカンタベリー音楽というシーンそのもののスタート地点とも云われるバンド、Wilde Flowersのメンバーであり、その後もSoft Machineをはじめいくつものシーンを語る上で重要なバンドやソロなどの活動を通じて数多くの名作名演を残した偉大なベーシストにして作曲家ということになるだろう。

A Remark Hugh Made

オイラは1995年のKramerとの来日公演で彼の姿を目の当たりにしている。元々はDaevid Allenも来日してGong名義(もう本当に名義だけだよなぁ。KramerとやっていたのもNewYork Gongだし。でも天邪鬼なオイラはそれ故に興味深々だった)の公演になるはずだったのが、Allenが来日NGとなり、Kramer名義になったという曰く付きのライブだったのだが、実はGongについて不勉強で、2人のデュオで前年に発表されていたアルバム『A Remark Hugh Made』が好きだった自分としてはむしろ嬉しかったりしたというね。ま、ぶっちゃけKramerがソロで発表したナンバーの多いセットだったんだが、Hopperらしい重くてデカくてメロディアスな演奏もけっこう楽しめた。一部、適当に弾いてるのか?という場面もあったりもしたのだけど。なお、この時のライブは日本でだけ『Still Alive in '95 (Live in Japan)』としてCD化されてもいる。
今、『A Remark Hugh Made』を聴きながら書いているんだけど、実に才気走ったKramerの多重演奏と低音部をブイブイと泳ぐように鳴らすHopperのベースが絶妙にブレンドされているわ。Robert Wyattがゲストで歌う1曲目からして鳥肌ものの美しさ。その後に続く楽曲もメロディがちゃんと頭に残るようなポップさを兼ね備えたミクスチャー・ミュージックばかりで、これもっと聴かれていいと思う。てか、Amazonだとプレミア付いてるんだね! 廃盤中かよー。Shimmy DiscってかSecond Shimmyはそろそろリマスター・プロジェクトでも立ち上げて再発してくれなきゃダメだな。本作、実はゲスト演奏も収録されているGary Windo(1992年没)に捧げられた作品でもあったりするのだが、Hopperを追悼するのに聴くことになってしまったというね……複雑な気持ちだ。

他にもSoftsの諸作だとかHatfield and The Northの元メンバーとかAlan Gowenなんかと絡んだ作品とか、もう数え切れないほど素晴らしい作品を残しているのでね。ソロでも『Hopper Tunity Box』みたいな傑作あるし。シアトル系ミュージックのキーパーソン、Fred Chalenorとの夢の共演が果たされたHughscoreなんてプロジェクト・バンドもはずせないし。オススメできない作品を探す方が大変なくらいなので、聴いたことない方はぜひこれを機に耳を傾けてみてはいかがかと。当の本人は今頃、Soft Heapの天国公演でツアーしてることでしょうなぁ。RIP。

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